あの「虎の門」が最近作った組織とは?

日経メディカル ワークス ロゴ日経メディカル ワークス ロゴ

医療・介護・福祉・歯科で働く従事者の働き方とキャリアを考え、
最適な仕事探しをサポートする、日経メディカルとジョブメドレーが共同運営する情報サイトです。


インタビューヘッダー画像
INTERVIEW2016-06-28
インタビュータイトル画像
プロフィール画像

プロフィール

虎の門病院 院長
大内 尉義

おおうち やすよし〇1973年東京大学医学部卒業、76年東京大学第3内科入局、東京大学第3内科助手などを経て、85年米テネシー大学Visiting Assistant Professor、95年東京大学老年病科教授、2006年東京大学附属病院副院長、11年東京大学保健・健康推進本部長、13年より現職。


対談画像1

 専門医として高血圧治療の研究や診療のほか、カテーテル治療を積極的に手掛けてきたが、ひょんなことから老年病科を経験し、その魅力にとりつかれ、日本における老年病学の第一人者となったのが、虎の門病院院長の大内尉義氏だ(東京大学名誉教授、元東京大学加齢医学講座教授)。大内氏は最近、高度な医療を提供することで有名な虎の門病院内に、ある組織を立ち上げたという。高齢化が進む日本の医療の将来を大内氏はどう見ているか。


豊田 10年、20年を見据えた医療のお話を是非伺いたいと思っています。医療は常に変革期を迎えているといわれている気がしているのですが、今、医療の世界に持ち込まれている変化は、この10年ぐらいで起こった変化に比べて非常に大きいのではないかと思っています。それは、例えば、財政の問題であったり、あるいは非常に高額な、でもとてもよく効く治療薬が出てきたりしていることです。先生は、医療は今度どうなっていくとお考えになっていますか。
 
大内 私自身の専門が高齢者医療、老年医学ということもありますが、これからの日本の医療の動向を決める大きなキーワードはやっぱり高齢化なのだろうと。

 しかも、高齢化はとっくに通り越していて、高齢者が人口の30%を超えるような超高齢化が近いわけです。2025年にはいわゆる団塊の世代が後期高齢者になります。それと少子化が相まって、2025年問題の本質というのは、日本、あるいは世界でもいいんですけれども、今まで支えてきた世代が今度は支えられる側に回るという、大きな転換点がやってくるということです。

豊田 そもそも先生が老年医学を専攻しようとお考えになったのはどういうきっかけだったのでしょうか。

大内 私は、もともと東京大学第三内科の循環器グループにいって、それで循環器系疾患、特に高血圧を専門に研究や診療を行ってきました。カテーテル治療もたくさん経験しましたよ。そんな頃、海外に留学する機会を得ましたが、その留学中に、東大老人科(当時、現老年病科)の教授が替わりました。老人科と言っても内科の診療科の1つなので、基本的に臓器別の診療ができなくてはいけないわけですが、そこの循環器を強化する役割を与えられたんです。

 私自身は研修医のときに半年間、老人科を経験していたのであまり違和感はありませんでした。そうして高齢者医療を手掛けるようになったのですが、内科で診療してきた患者と老人科の患者はやっぱり違うなということを実感するようになりました。

豊田 どんなところが違うとお感じになったんでしょうか。

大内 一般内科では、たいていの場合、ある1つの臓器だけ診て治療をしていれば、あとは自然に回復していくわけです。そもそも身体機能はそれほど低下していませんからね。ところが高齢者はそういうわけにいきません。むしろある1つの臓器を一生懸命に治療している間にほかの臓器が悪くなって逆に寝たきりになってしまうという、本末転倒なことが起こってしまうのです。臓器別の診療だけじゃなくて、いわゆる病人を診るというスタンスの医療が必要だと実感しました。そして、病人を診るためには、そのバックグラウンド、たとえばお風呂に入ることができるか、買い物ができるかどうか、などの身体機能や、経済状況とか家族の状況、病気を治した後もちゃんと見てくれる人がいるのかどうか、といった患者の社会環境を診なければならない、つまり生活を診る医療というのが必要だと思ったんです。

 それから、一人の患者がたくさんの疾患を抱えていますから、どういう順番でどういう診療をしたらこの患者が一番効率よく元の生活に戻ることができるのか考えなくては高齢患者の治療って成り立たないわけです。そこが老年科医のスキルが最も問われるところですし、一般内科の診療とはまったく違う点だと思います。

 循環器科や呼吸器科にかかる患者だって高齢化しているわけですが、それぞれの診療科の医師は高齢者の専門家ではありません。極端な話、認知症や骨粗鬆症の専門家であっても、高齢者の専門家ではないわけです。認知症患者だって高血圧や糖尿病など、様々な病気を併発している。しかし、特定の臓器や疾患の専門家というのはそういう併存疾患にはあまり目がいかないことが多い。

 なぜかと言えば、やはり学問体系が全然確立していないからだと思います。そのため、きっちりと学問体系にしていくのが大学の老人科あるいは老年科の役目だし、老年医学会の役目だということを確信した。そして活動してきたというところでしょうか。

豊田 とても失礼な言い方になってしまいますが、「病気が好きだ」とか「治療が好きなんだ」という医師からすると、老年医学は、「物足りない」「刺激的じゃない」という見方になりがちなのではないかと思います。

大内 我々、老年科としては、臓器別のスペシャリストの存在を否定しているわけではありません。大切なのは、高齢者を総合的に診ていくスキルを持っている医師と、個別の臓器の診療をする医師をいかにうまくタイアップさせるかということなんです。だから医師全員が高齢患者のことを理解しろ、とか、総合的に診る医師になれ、というつもりはまったくありません。


対談画像2

豊田 老年科医は総合診療医とも違うのでしょうか。

大内 そうですね。総合診療医というのはなかなかイメージが湧きにくいのですが、例えば離島で必要な総合医療、それから都会で必要な総合医療を考えてみると、やはり少しずつ違うわけですからね。老年科医は高齢者を総合的に診療するという意味では総合診療医に近いのですが、臓器別の診療というレベルから一つ高いところに視点を置いて、患者の健康に責任を持つ専門医としての役割があるのが老年科医じゃないかなと考えています。少し語弊があるかもしれませんけれど、臓器別の診療を行う医師たちをいかに組み合わせ、組み立てていくか、いわば司令塔の役割というのが、老年科医のスキルだろうと思っています。

豊田 なるほど。

大内 ですから例えば老年科医が眼科のことをできる必要はまったくないんです。それは眼科の医師に診てもらえればいいわけです。

豊田 老年科医は何でも屋ではない。

大内 あくまでその高齢患者の生活機能をMAXに回復していくための診療をどう組み立てたらいいかを考えることが老年科医です。これは、例えば手術で冠動脈バイパス術ができるとか、そういうスキルと並ぶ医療上のスキルだと思っています。

豊田 キュアからケアへという考え方が政府からも打ち出されていますね。

大内 今までの臨床医学の視点が、臓器をどう治療するかという点に強くフォーカスされていました。これからは、目の前の患者がうまく病気と付き合って、自分らしい生活をいかに全うしていくか、という点にフォーカスすることも求められていくでしょう。

 例えば、心筋梗塞患者に対して治療を行うと心機能は回復するわけですが、では、その患者が自分の生活にどうやって戻っていくかということをサポートするのは心臓専門医には難しい。そもそも求められている役割でもない。だから我々が一緒に診ていきましょうということだと思います。

豊田 実現できるでしょうか。

大内 社会にそういうニーズがありますから。実際問題として、高齢の患者は病院を出たらどうしようかって困っているわけですからね。ほかにも、ひざが痛くて、糖尿病があって、目が悪くて、それぞれの診療科を回るんだけれども、結局自分の治してほしいところはちっとも治してくれないという思いを持っている患者は少なくない。患者にとってみたら、自分に起こっている異常、辛さ、苦しみという意味で1つの事象ですからね。でも病院に行くと、やれあっちへ行け、こっちへ行けとなる。その患者の健康全体に責任を持てる医師が求められているのでしょう。膝を診る医師は膝には責任を持つけど、健康全体には責任を持たないし、持てないわけです。だから高齢者医療という専門性に対するニーズが出てくるわけ。

 とかく最先端の医療が話題になったり注目されたりしますが、実際の国民のニーズの多くは違うところにあるように思います。

豊田 小児科は、やっぱり子供は臓器だけじゃないよね、全身を診ないとだめだよねという考えがあって成立したのだと思っています。先生のお話を伺っていると、高齢者でも同じということでしょうか。

大内 コンセプトとしては同じです。ただ、一般内科と老年科の間の距離と、一般内科と小児の間の距離を比較して考えてみると、やっぱり一般内科と小児科との間の距離の方がうんと大きい。だから早くから専門の診療科として認められてきた。逆に言うと、例えば循環器内科の患者も高齢化しているからその差に気がつきにくい。「老年科って何をやっているの?」「俺たちだってお年寄りを診ているんだから老年科なんていらないんじゃないの?」という発想になってしまうんです。

豊田 古い話ですが、ほんの60年、70年前までは血圧が高くなっても、瀉血で血圧を下げるなんていっていた時代でしたよね。長いようですが、たった60年前です。その後、先生方の研究などの結果として薬がたくさん開発され、ちゃんと服薬すれば血圧を下げられるようになった。昔ではどうしようもなかったことも、今ではコントロールできることが多くなりました。こうした課題の解決が医学の責務であったり目標であったりしたわけですが、その課題の解決がある程度飽和したから、総合的に診療するという話が出てきているのでしょうか。それとも単純に国民のニーズが変わったからなのでしょうか。

大内 医療上の課題を解決してきた結果、寿命が長くなった。それで高齢化という現象が起こった。ですから、高齢化、あるいは超高齢化という現象は、人間の文明の行き着く先なんですよ。血圧のコントロールが容易になる、冠動脈はステントで低侵襲に治療できる、抗癌剤の開発が進んで患者の予後が延長する。こうした医療の進歩の結果として高齢化が起こっている。そして高齢化が起こった結果として認知症や骨粗鬆症も起こってきた。医療が社会構造を変えてきたわけです。そして社会が変われば、求められる医療も異なってくるのは当然です。これからは健康寿命を延ばす医療が必要になるだろうと思います。


対談画像3

大内 では、健康長寿をどうやったら達成できるか。実は何をやったらいいかはある程度分かっているわけですよね。生活習慣の是正とか。でも、それをいかに実行してもらうかとかが課題なんです。

 しかも国民はみんなもう分かっているんですよ。例えばこういう食べ物を食べたら健康長寿になれるとか、運動がいいとか。分かってはいるんだけれども、7割の人が実行していない。さらにそのうちの7割はまったくやる気がないのが現状。いかに自分の健康に興味を持ってもらって、モチベーションを高めてもらうか。社会の仕組みも含めて考えていかなくてはいけない時代だと思います。

 世界ではいろいろな面白い事例があって、例えばドイツのフライブルグという町は、昔は町の真ん中にまで車が入ってこられたんですが、今は町の中心部には車が入れないように規制している。その上で中心部にモールを全部持ってきたんです。郊外に住んでいる人は車を使わざるを得ないけど、町の端まで車できたら、あとは歩かざるを得ないような仕組みにした。そうしたらフライブルグは、今ドイツの中で医療コストが下から数えて2番目までになった。さらに、商店街の売り上げも大きく伸びた。ゆっくり歩くからいろいろな買いたいものが目に入るわけです。歩かなければいけなくなって、歩くようになった結果、生活が変わってきたんです。

豊田 そうした社会の仕組みの構築に医師はどう関わることができるのでしょうか。

大内 もちろん、どういうことをしたら健康長寿になるのかという知識を提供することがまずはできますよね。あとは街づくり、家づくりなどで、幅広い分野の人たちと協力して学際的な研究にも関わることができると思います。

豊田 今まで、医師はそういったことにあまり関わってきませんでした。

大内 例えばフランスは、大学に老年科を設置することが義務化されています。米国だといろいろな分野の人が1つに集まって研究を進めている。ミシガン大学などではとても大きな老年学研究所を持っています。ハーバード大学なんて老健施設を持っているんです。そこで学生教育もしているし、学際的な研究が行われている。

豊田 東大が老健施設を持つなんてことは考えつきません。介護実習とは違うのでしょうか。

大内 違いますね。アカデミアの視点で教育や研究をする場となっている。ただし、日本ではまだまだ老年医学に対して誤解があって、なかなか1つの専門領域として認められていないところがあります。

 我々にも責任があって、老年医学はこういうことするところだ、というビジョンを打ち出してこなかったという反省があります。何をするところなのか、といったことをもっと打ち出していかなきゃいけない。それが国民のニーズに合っているんだと主張していかなくてはいけない。
 
 今、大学の中に新設科を作りにくいのも事実です。そういう環境下で老年科はますます作りにくい。でも、高齢者問題というのは医学だけでなく、法律上の課題もあるし、社会インフラのあり方なども関係する。私自身は、総合大学であるならば、「老年医学」よりも「老年学」として研究所を作っていくことの方が必要なんじゃないかと思っています。その結果として医療における老年科への注目もあらためて高まっていくような気がします。東大の全学組織である高齢社会総合研究機構もそういうコンセプトです。

対談画像4

「あの虎の門」が最近作った組織とは?

豊田 虎の門病院というと、やはり最先端の、本当に高度な医療を提供していく病院というイメージがあります。設立当初から専門分化し、各診療科に専門医を配置して高度な医療を提供することが病院の目的です。そういう施設で老年科をご専門としている先生が老年科の重要性を訴えているというのは、時代の変化なのでしょうか。

大内 実は虎の門病院が今まで行ってきた、高度な領域別の最先端の診療と高齢者をトータルに診ていく診療をマッチさせる仕組みを最近、作ったんです。

 それが高齢者総合診療部です。いわゆる医療チームですね。医師だけでなく、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ、臨床心理、ソーシャルワーカーなどが構成メンバーです。日本では虎の門病院が初めて設置した部署です。

 この高齢者総合診療部は何をするか? 各診療科には後期高齢者がたくさん入院してきます。例えば、狭心症患者が入院してきますが、転倒しやすいとか、誤嚥があるとか、生活機能が障害されている場合は多い。そういう患者が各科に入院してきたら、その患者のコンサルテーションに行くんです。そしてその患者をチームで診察して、それぞれの立場から意見を述べて、その患者に一番適した治療方針を立てていくことをサポートするんです。

豊田 患者はそれぞれの診療科に入院するけれども、その患者をアセスメントする別部隊がいるというイメージですか。それは老年科と同じではないのでしょうか。

大内 違います。診療科ではありません。チームなんです。言ってみれば、薬剤部とか栄養部と同じ位置づけ。病院の機能の1つです。

豊田 それぞれの診療科からすると、「うるさいことを言ってくる人たち」というイメージになりませんか?

大内 当面は各科のリクエストに応じる形で動かしています。循環器内科とか内分泌代謝内科の診療を受けている患者が最近、認知機能が低下しているようだが、どう評価したら良いか、といったコンサルテーションが各科から来ています。外科で一般手術を受けた患者が睡眠薬を服用したら転倒してしまった、とか、各科では手に負えないことがありますからね。今まではどこにも持って行きようがなかったんですが、そこをしっかりとアセスメントしてくれる組織なわけです。

 75歳以上の患者は全例、この高齢者総合診療部のアセスメントが入るという形が理想的だと思っていますが、現時点ではマンパワーも十分ではない。そのため、要請のある患者さんにのみコミットしていますが、徐々に理想形に近づけようと思っています。UCLAなどでは80年代からこうした仕組みがあって、アウトカムを評価したりしてるんですよ。こうした介入で、家に帰ることができる割合が高くなったり、入所率が低下したり、QOLが上がったり、医療費を減らせられるといった結果が得られています。

 その点では日本はずいぶん遅れてしまいました。是非、虎の門病院で日本でもこうしたチームが有効であることを示し、全国の病院に普及させたいと思っています。

豊田 専門医が自分のプロフェッショナリズムを追究できる環境にもなるわけですね。私も過去に、脳外科医として脳出血の高齢患者の手術をした後のケアを担当したことがありますが、今後の回復を考えてどれくらい薬をどう使うか、なんてことは正直専門外だったので、苦労した経験があります。

大内 そういう高齢者の術後管理や術前評価なども担っていく組織です。病院のインフラ作りの一環といえばいいかな。外科の医師が、専門外のことで時間と頭を使う必要がなくなるわけです。本来すべき手術に専念してもらう。

豊田 誰も損をしない仕組み(笑)。

大内 そう。最近、注目されてるんですよ。虎の門だからよけい目立つのかもしれませんが。

豊田 医療経済の点からも効果がありそうです。専門性の高い方々に診ていただければ、無駄や遠回りがなく、回復のレベルも上がるし、回復に向かって最短距離でいけそうです。院長に就任してすぐに始めたのでしょうか?

大内 構想そのものは就任前から持ってました。ただ、虎の門病院の中にニーズはあるのだろうか、という心配も実はあったんです。

 そんな頃、当院の外科部長との雑談で、夜間の眠剤がうまく使われていなくてトラブルが多いという話を聞いたんです。「これは!」と思いましたね。早速、構想を話したら、是非やりましょうと。それで、準備委員会を作って議論を重ねた末に、昨年の夏に発足させました。

 虎の門病院と言っても、入院患者は相当高齢化してますからね。65歳以上が55%くらい。75歳以上は25%なので。絶対にニーズがあると思ったんです。これからは虎の門病院から高齢患者の全人的な医療に関するエビデンスを出していけると期待しています。

対談画像5

豊田 今後は専門医が専門性を発揮して活躍しつつ、高齢者が健康寿命を達成するために高齢者総合診療部が活躍するというイメージですね。

大内 その通り。超高齢社会が来るのは確実ですからね。いかに活力があるものにするか考えていく必要がある。しかも、医療だけでなくて産業としてもどう発展させるかという視点も大切です。

 最近、経済産業省の研究会に参加する機会を得ました。そこで聞いたんですが、ある電機メーカーが、いかに軽い掃除機を作るかに腐心しているというプレゼンを聞いたんです。しかし、老年医学の観点からは、軽くて使いやすいのも良いけれど、逆にある程度、負荷をかけるという考え方も必要です。筋力維持に特別な筋トレをしようなんて言っていますが、そんなことしなくても日常生活の中で負荷がかかる、すなわち、掃除をすることが筋トレになるという考え方もあるんだよ、と指摘しました。昔の日本家屋には土間があって、段差があるから、自ずと上り下りして筋トレになっていた。今はバリアフリーばかりで衰えやすい。これも、中途半端なバリアだから転倒したりして問題になる。ハードルの高いバリアだったら転ばないように努力したりするからね。さじ加減は必要だけれど、そういうあんばいを医療者と産業界が一緒になって考えていくってことも求められるになってきていると感じています。

 それぞれの分野のノウハウを融合させて新しい社会を作っていくことに貢献することも老年科の役割だと思いますね。

豊田 面白いですね。学生時代にそういう話を聞いたら、老年科を専攻したのに。ただただ高齢者が医療費を食いつぶすだけの存在だなんて言っていても何も解決になりませんから。昔から「本当の良医は社会を治す」という格言がありましたが、まさにそれを地でいくんですね。

大内 高齢化が世界で最も進んでいる日本だからこそ、日本からいろいろなことを発信できたらと思っています。


【インタビューを終えて】老年科・老人科は、病気からではなく社会のニーズから生まれた診療科であるという点にとても興味を引かれました。病院の中で専門科として居場所を作りづらいのではないかと考えていましたが、それはとても小さな視点だったと気付かされました。病気を治す医療もあれば、社会を治す医療もある。老年科は後者にも貢献しようとしています。虎の門病院の高齢者総合診療部から目が離せません。(豊田)





医療・介護・福祉・歯科業界で働いている方、働きたい方のための総合情報サイト 日経メディカル ワークス

日経メディカル ワークスは、日本最大級の医療従事者向けポータルサイト「日経メディカル」と日本最大級の医療介護求人サイト「ジョブメドレー」が共同運営する医療・介護・福祉・歯科従事者のための総合情報サイトです。『あの「虎の門」が最近作った組織とは?』のような、医療・介護従事者が気になる情報を毎日提供。働き方やキャリアについて深く掘り下げたコラム・インタビューも配信しています。また、そのほかにも病院、薬局、介護施設、保育園、歯科医院などの事業所情報も幅広くカバーし、全国175826件にも及ぶ事業所の情報を掲載(2019年10月14日現在)。求人の募集状況なども確認することができます。