イラスト:畠中 美幸
東海地方にあるA眼科診療所からある日、顧問の社会保険労務士に相談が寄せられた。一般企業から最近転職をしてきたB子が、他の職員に報告・相談をしないことでトラブルが頻発しているのだという。
東海地区では大手製造業を中心に賃金水準が引き上げられており、医療人材が他業種に流れる動きが起きている。そんな中、事務職員のB子は大学卒業後、一般企業で数カ月働いた後に当院に転職を希望。たった数カ月の社会人経験とはいえ、一般企業からの転職はありがたく、C院長を含む周りの職員もB子を温かく迎え入れた。
ところが、B子の採用からしばらくして、目に見えるほど現場の不満が増加し、職員同士の関係もギクシャクするようになってしまった。職員同士のB子に対する不満が聞こえるようになったほか、各部門の主任クラスの職員がB子に直接注意・指導する光景が頻繁に見られるようになった。
B子はおとなしい性格で、積極的に周囲とコミュニケーションを取るタイプではない。当初は社会人経験が少ないからだろうと、周囲は失敗を許容しつつ接していた。しかし、数カ月たっても失敗を繰り返すことに多くの職員がいら立つようになり、事務部門のD主任に至っては、「何であんな人を採用したのですか」とC院長に問い詰めるまでになった。
C院長が複数の職員から詳細な状況を尋ねてみると、どうやらB子から周囲へ報告や相談がないことで院内の連携に支障が生じたり、患者に迷惑が掛かったりするトラブルが繰り返し発生しているのだという。先日も、B子は受付で患者から寄せられた相談内容を看護師に共有し忘れ、患者を長時間待たせてしまった。他の事務職員がフォローして事なきを得ていたが、こうしたことがしばしば発生しているそうだ。
事態を把握し、B子に辞めてもらうべきか対応に迷ったC院長は、顧問の社労士に相談した。







