イラスト:畠中 美幸

 A診療所に勤務する事務職C子。仕事のスピード、正確性は抜群で院長もとても助かっているのだが、忙しかったり複数の仕事が重なったりするとイライラし、顔や態度にあからさまに表れる。そのため、周りの職員はかなり気を遣い、まるで腫れ物に触るような感じで接しており、コミュニケーション面で職場の空気がギスギスすることもある。

 そうした状況が続いたことで、「C子さんを何とかしてほしい」「なんで私たちがこんなに気を遣わないといけないんですか」という声が複数の職員から上がるようになった。また、イライラした態度は患者に対しても向けられ、「あの態度は何だ」「あのような言い方をするなんて、どんな教育をしているのか」といった苦情が院長に寄せられた。

 院長はこれまで幾度となく職員に対して接遇研修を実施。外部から接遇の講師を招いたり、職員を外部の研修機関に行かせて学んでもらうなどしてきた。コロナ禍の最近では、オンラインで学べる工夫も取り入れている。しかし、C子の態度に変化は見られなかった。院長は、苦情が来るたびに患者に「申し訳ございません。厳重に注意をしておきます」などと謝り、C子に対しては患者から苦情が入ったことを伝えているが、それでも改善しそうにない。どうしようかと思い悩んだ院長は、社会保険労務士に相談してみることにした。