A整形外科診療所は北陸地方にある。診療所としては比較的大きな規模で、円滑な組織運営のため事務職員の中から主任を選び、業務管理や人材管理を任せている。
そんな折、数カ月前に中途採用した事務職員B子が働き始めた。前職はまったく異なる業種で、医療業界は初めてとのことだ。普段の業務を見る限り、真面目に働いているように見えたものの、このところ主任C子がややイライラした態度を見せるようになった。
D院長はあまり気に留めていなかったが、ある日、C子から院長に対して「相談をしたい」と申し出があったため面談した。
相談内容はB子についてで、業務遂行において大変困っているとのことであった。詳しく話を聞くと、「業務の指導中に返事をしないので、理解しているのかどうかが分からず不安になる」「返事をしないため、依頼した仕事をやってくれるのかが分からない」という。仕事そのものは、特に問題なくやってくれているようだ。だが、返事というコミュニケーションの基本ができていないので不安になり、それが不満につながって困っているという。
確かに、D院長がB子に何か依頼したときにも、返事をしないことが何度もあった。B子は積極的に人に話しかけるタイプでもなく、おとなしい性格なのだろうと思っていたが、過去を振り返るとD院長もC子と同様に不安を覚えたことがあった。問題解決の糸口が分からず、D院長は顧問の社会保険労務士に相談した。







