イラスト:畠中 美幸

 A皮膚科診療所は、関西地方の利便性がよい場所にある。来院患者も比較的多く、業務効率化を進めている。職員の中でも約10年勤務する古参事務職員B子は、長年勤務しているため業務の推進方法や内部ルールはもちろん、患者のことも知り尽くしており、誰からも頼りにされる存在である。

 しかし、古参職員であるが故の問題が院内で起きているという。院内ではB子の発言や存在が絶対的となり、誰も意見を言えない存在になっている。また、B子は人の「噂話」が大好きなため、通院患者の交際歴や家族構成、辞めた職員の最近の様子まで、様々な話を業務中に他の職員とする様子が目に付くようになった。周りの職員もB子の話に付き合わざるを得ず、職場の人間関係を保つためと割り切りつつも困惑しているようである。

 ただ、あまりにも陰でB子が噂話をするので、職員によっては自分について話されているのではないかと疑心暗鬼となる人や、C院長にB子の噂好きについて苦言を呈する職員もいた。C院長は「そういった噂話が好きな人は世の中に一定数いるものだから、適当に付き合ってあげて」と返答していた。だがある日、看護部門の職員D子が院長に「B子の噂好きをいい加減なんとかしてもらいたい」と憤りながら訴えてきた。

 D子の話によると、B子と同僚の前を通ると話がピタリと止むことが何度もあり、「自分の悪口を言われているようで、非常に気分が悪い」という。また、D子は「自分が患者対応でおかしなことや何か間違ったことをしただろうかなど、考えてみたものの思い当たる節はなかった」と話す。考えを巡らすことに疲れ、なぜ自分がこんな思いをしなければならないのかと怒りが湧いているようだった。

 C院長は、確かにそのような振る舞いをされては気分が悪いだろうと思い、B子に注意しようと考えた。そこで、どのように注意すべきか顧問の社会保険労務士に相談した。