重要なのは担当制にすることではなく、マネージメントやオペレーションをしっかり行いチームで動くことです。

 具体的に言うと、まずは初回訪問での契約の際にきちんと、複数名のナースが伺う旨の説明を行い、利用者に了承を頂くこと。そして、初回訪問を行ったナース(管理者)が利用者の体のことや心のこと、生活環境にまつわることなどをアセスメントしたら、知り得た情報を自分の中だけにとどめず、その場に居合わせていなかったすべてのナースが分かるように、その組織で採択しているコミュニケーションツール(アセスメント用紙や行動計画書など)を用いて、具体的に患者情報を可視化していくことが大切です。

 口頭による申し送りは、後で必ず「言った」「言ってない」「聞いていない」といったトラブルが生じますからとても危険です。きちんと紙面で残し、いつでもだれでも(当然、そのステーションで働くナースや実習中の看護学生に限定されますが)必要に応じて閲覧できる状態にしておくこと。そして、利用者宅を初めて訪問するナースは必ずコミュニケーションツールで情報収集を行ってから訪問に臨む——というルールの下でステーションを運営していくことが必須であると考えています。

 また以前、「うちのステーションは『チーム制』です」とどこかの管理者がおっしゃっていましたが、よくよく聞いてみると実態はこんな感じでした。週に1回程度の主に介護保険を使っている利用者については担当ナースが訪問することを基本とし、状態が芳しくなく頻回な訪問が必要になった時やその兆しがある時に、同行訪問を経て2、3人で訪問するのだと……。利用者の状態次第で、「1人のナースだけで頻回訪問するのは大変だから」と複数訪問に切り替える発想は、ステーション側の都合を利用者に押し付けているように映ります。私の頭の中にはありません。

 訪問看護の利用者、ましてや高齢者ともなると、何らかの医療ニーズが潜んでおり、リスク管理をどれだけ行っていたとしても不測の事態は起こります。その不測の事態に備えておくためにも、私は前述の通り最初から「チーム制」で看ていこうと考えています。

 また、担当制のステーションの中には、初回訪問に担当のスタッフが出向くところもあると聞きますが、一体、管理者は何をしているのでしょうか?そのステーションで働くスタッフ一人ひとりが事業所の“顔”ではありますが、一番大きな看板を背負っているのはやはり管理者です。管理者の責任において利用者との信頼関係をきちんと築いてから、スタッフ訪問に移行していくのが道義ではないかと、ずっと考え現在に至っています。

 スタッフの週間スケジュールの作成1つとっても、担当制にした方が簡単なのでしょうけれど、ここは一つ“生みの苦しみ”を多少なり味わってみてはいかがでしょう。管理者としての器が問われるところです。



つぼうち のりこ氏●1988年東京女子医大付属看護専門学校卒。同大付属病院、日本医大多摩永山病院などを経て、98年から訪問看護に従事。セントケア(株)訪問看護部次長、(株)ミレニア訪問看護サービス部長を務め、訪問看護事業所の立ち上げと運営・教育に携わる。2013年におんびっと(株)を設立。訪問看護ステーションへのコンサルティングや教育事業を手がけ、14年2月から訪問看護サービスをスタート。