以上、これら5つの算定要件のすべてを満たしている訪問看護ステーションのみが、「機能強化型」を算定できるということです。今後、算定事業所数の動向をじっくり見ていきましょう。小規模多機能型居宅介護と訪問看護の「複合型サービス」の伸び悩みと同じ状況が、私には想像できます。

 冒頭で述べた通り、准看護師一人の基本療養費1回分にも満たない金額を稼ぎ出すために、何も右往左往することはないのです。ターミナルケア療養費算定利用者や、特掲診療料の施設基準等の別表第7に該当する利用者のカウント、報告の事務作業を考えると、“トントン”以上の評価にはなりません。

 そもそも、訪問看護おいては、看護師の常勤人数の多少や併設居宅介護支援事業所の有無が問題なのではありません。管理者のマネジメント機能やオペレーション機能が現場で軽んじられている現状こそが問題であり、私自身、それに憤りを感じてやまないのです。

 今回の診療報酬改定に関しては、「機能強化型」のことよりも、「在宅不適切事例の適正化」というお題目で、同一建物で同一日に3人以上訪問した場合の「訪問看護基本療養費II」の点数が、4300円から2780円にすさまじく引き下げられたこと(いずれも週3日目までの点数)をご確認頂き、これに該当しないのであれば、ホッと一息つかれることをお勧めいたします(こちらに該当してしまう場合、なすすべはないかもしれませんが……)。


つぼうち のりこ氏●1988年東京女子医大付属看護専門学校卒。同大付属病院、日本医大多摩永山病院などを経て、98年から訪問看護に従事。セントケア(株)訪問看護部次長、(株)ミレニア訪問看護サービス部長を務め、訪問看護事業所の立ち上げと運営・教育に携わる。2013年におんびっと(株)を設立。訪問看護ステーションへのコンサルティングや教育事業を手がけ、14年2月から訪問看護サービスをスタート。