ちょっと待って!学生を泣かせるステーション
 日本には看護師等免許を保有している看護師等はざっと160万人いると言われています。そのうち潜在看護師(免許は持っているが、資格を活かした就業はしていない看護師)が60万人。残り100万人くらいは何らかの形で就業していますが、その中で訪問看護ステーションで働く看護師はなんと3万5000人しかいません。

 そもそも、看護基礎教育の中に「在宅看護論」が取り入れられたのは、1996 年の「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」一部改正に伴う教育カリキュラム改正以降です(現在は、2009 年度の教育カリキュラム改正により、在宅看護論は総合分野に位置付けられています)。つまり、2000年以前に看護学校や大学などを卒業した人の多くは、教育の場がなかったわけです。

 最近では、訪問看護実習が当たり前のよう行われていますが、一方で、学生を泣かせてしまうステーションが多数存在するなどよくない噂も耳にします(面接を行った若い看護師や知人看護師などから聞いた話です)。自らは系統的なカリキュラムで学んでいないであろう年代の先輩訪問看護師たちが、金の卵である学生を泣かせてしまうことは、どのような事情があるにせよ、決してやってはいけないことだと考えます。なり手が極端に少ない市場だからこそ、先輩訪問看護師たちは、訪問看護の魅力を次の世代を担う若い学生に、ふんだんに伝えていく責務を負っているのですから……。

 話がそれてしまいましたが、お答えになったでしょうか。最初はだれもが初心者です(当然、私もそうでした)。迷っているくらいなら、一度飛び込んでみましょう〜!ただし、残念な結果にならないように、法人選びは慎重に慎重を重ねてくださいね(当社でも随時スタッフを募集しています!!)。

※本コラムでは、読者の皆さまからの質問を募集しています。訪問看護に関する現場の悩みにエキスパートがお答えします。投稿はこちらから。お待ちしております!


つぼうち のりこ氏●1988年東京女子医大付属看護専門学校卒。同大付属病院、日本医大多摩永山病院などを経て、98年から訪問看護に従事。セントケア(株)訪問看護部次長、(株)ミレニア訪問看護サービス部長を務め、訪問看護事業所の立ち上げと運営・教育に携わる。2013年におんびっと(株)を設立。訪問看護ステーションへのコンサルティングや教育事業を手がけ、14年2月から訪問看護サービスをスタート。