質問
准看護師歴7年目で、総合病院に勤務しています。訪問看護をやってみたいのですが、近所の訪問看護ステーションに問い合わせたところ、「准看護師はちょっと……」と言われました。人工呼吸器などの管理にも精通していますし、ほかのスキルも問題ないと思っているのですが、働ける可能性はありませんか?
回答者
坪内紀子(おんびっと[株]代表取締役)
その訪問看護ステーションは、質問者の方に会いもせず「准看護師はちょっと……」といったことがなぜ言えてしまうのでしょうか?私はまずそのようなことは申しませんが、あくまでも推察の範疇で、考え得る理由を2点述べたいと思います。
(1)支払われる報酬が低い
正看護師やリハビリのセラピストたちの1回当たりの金額と、准看護師のそれは異なります。正看護師などが100%とすると、准看護師へ支払われる報酬は90%になってしまうのです(ただし、セラピストについては一部例外もあります)。元来、専門の事務員を抱えていない訪問看護ステーションには、「准看護師を雇用する=料金体系が煩雑になり、かつ請求業務に間違いが生じやすくなる」との思い込みのある管理者などが存在します。雇用したくないというのは、そうした背景からではないかと考えます。
(2)必要書類の作成ができない
訪問看護計画書および報告書は、訪問看護を行うに当たり、コンプライアンス(法令遵守)上欠かすことのできない帳票です。ですが、准看護師はこれらの作成が不可となっています。その結果、「スタッフが1人増えた→計画書・報告書の分担数が減った→嬉しい!」が成立しないために、准看護師を雇用することがためらわれるのだと考えます。
当社は、これらのことにはこだわりません。よろしければ当社で働いてみませんか?ご連絡お待ちしております(笑、しかし真面目な話です)。
准看になるなら正看への進学を前提に
准看護師と言えば、8月4日、Aナーシングに「今こそ准看護師の養成が必要だ」という医系議員へのインタビュー記事が掲載されましたが、その内容に絶句しました。このご時世に、このようなことをおっしゃる医師がわんさかいるのだとしたら……。
九州地方のとある地域で実際にあった話をご紹介しましょう。その地域では、30歳代後半の正看護師は採用されないのだそうです。医師に直接言われたそうです。「正看護師は生意気だから、新卒以外、うちは採用しないよ〜。その点、准看護師は言ったことを忠実に実行してくれるからいいんだけど……」と。読者の皆さんの逆鱗に触れませんか?まったく……、江戸時代か!?職業差別も甚だしいでしょう!!