また、もう一つの目的は、スタッフのモチベーションをあげることです。多くの看護師は、「実習生」と聞くと、まず「面倒くさい」「仕事が増える」と考えがちです。でも、私は知っています。実は、人に教えることによって自己受容感が高まり、スタッフたちのモチベーションは上がっていることを…。
実際、個人差はありますが、普段はあまり話をしないスタッフが、学生を前にすると積極的に指導し、質問に答えたりしている姿をよく見ます。そもそも、多くのステーションは職員数が少なくて指導する機会はほとんどなく、閉鎖的な環境になりがち。学生に新しい風を吹き込んでもらうのも大事だと考えます。なので、スタッフに愚痴られても、私は論破できるのです。後は、私が「新しい物好き」だからというのも、理由の一つとして挙げておいた方がいいかもしれません。
最後に、実習生の受け入れ側の立場として、これだけは言っておきたいことがあります。まだまだ、なり手の少ない訪問看護の世界です。それなのに、実習に来た貴重な学生に対して、無駄に厳しく接して、学生を泣かせたり、怒らせたりしてしまう訪問看護ステーションの職員が皆無ではないことが残念でなりません。また、学校の教員から学生たちへの、心ない言葉での厳しいダメ出しや上から目線の指導も、何とかならないものでしょうか。私は、学生たちを、次世代を担ってくれる“金の卵”と本気で考えていますが…。