——3年前から常勤で勤務されているそうですが、何かきっかけがあったのでしょうか。
30歳を過ぎたころから、アルバイトでは物足りないと感じるようになりました。いろいろ経験してみて、これからはやりがいを持って続けられる仕事がしたいと思ったんです。
当時はちょうど、女性医師の再就職支援が話題となっていた時期で、自分でインターネットで検索してみると、求人を出している病院が結構ありました。その中から女性医師が多く、受け入れ態勢が整っている急性期病院を選びました。
——常勤で勤務されてみていかがですか?
現在の勤務先は女性医師が多い分、環境も整っているので、働きやすいのが何よりですね。女医が少ない病院に勤務していた時は、当直室で着替えることがほとんどでしたが、今の病院に来て女性医師専用のロッカールームがあったのには感動しました。以前はセクハラ紛いの言動を受けたこともありましたが、そうしたこともありません。託児室もありますし、結婚して出産したとしても続けていけそうです。
今は認定医の取得を目指しています。勉強時間を確保したいこともあって、当直は辞退しています。医師の人数が多いので、そうできる体制も整っています。当直がない分、給与は以前より減りましたが、有給休暇も取りやすく、学会やプライベートの旅行にも行けるなど、やりたいことができているので満足しています。バイト医時代の方が収入はありましたが、景気の低迷が続く中、雇用が安定している常勤医になってよかったと思いますね。
また、仕事が充実してくると、上司や職場の仲間などからも、より良いお見合い話が舞い込むようになりました。今の医療情勢から、「幅広く診られる内科医を奥さんにしたい!」という方が増えているそうです。生き生きと働けていることが、プライベートにも好影響を与えているのかもしれません。
——転職を考えている医師へのアドバイスをお願いします。
現在は訴訟問題が多く起こっているので、医局に属していない医師は、そのリスクも背負う覚悟が必要だと思います。医局を離れる場合にも、できることなら良好な関係を保っておいた方がいいでしょう。私は幸い、医局の先輩方ともまだ付き合いがありますし、アルバイトで勤めていた先々の医師やスタッフとの交流も続いています。何かあった時に相談できる仲間を作っておくといいのではないでしょうか。
女性医師の婚活でいえば、今は“稼げる女医”の方が人気が高いようです。女性医師が働きやすい環境を整える医療機関も増えているので、結婚や出産で一時的に休んだとしても、ぜひ復帰してほしいと思います。
※本記事は、転職体験者が特定される恐れがあるため、経歴の一部を編集部で変えています。