——転職活動はどのようにされたのですか。
インターネットで検索して、医師紹介会社3社に登録しました。そのうちD社の担当者がとても親身になってくれて、半年ほどで現在の勤務先に決まりました。
——紹介会社はそれぞれ、どんな印象でしたか。
D社の担当者は私の希望をよく聞いたうえで、紹介先を考えてくれていました。問い合わせに対するレスポンスも迅速で、面談の希望を申し出るとすぐにアポイントを取りつけてくれる頼もしい存在。3社の中では、E社は可もなく不可もなくといったところで、F社はいい加減でしたね。こちらの希望を無視した病院を紹介してきたり、対応も緩慢でした。
これは紹介会社の違いというよりは、担当者によるところが大きいと思います。D社の担当者とは今でも付き合いがあって、時々酒を飲んだりしていますね。紹介会社に登録する時は、その会社だけでなく、担当者との相性もよく見極めた方がいいと思います。
——転職にあたって設定した条件は?
救急病院では休日や時間外勤務も多く、拘束時間が長かったので、これを機に自分の時間を確保したいと思っていました。D社の担当者にそう話したところ、現在のリハビリテーション病院を紹介されました。診療時間は8時半から17時半までで、土曜日は半日勤務、日曜日は休めます。年収は特にこだわっていませんでしたが、100万円程度アップしました。ただし、退職金がないので総合的に見れば変わらないと思います。
——転職してみていかがですか?
いい勤務先が見つかったと思います。医局の構成メンバーはいい先生ばかりで、学閥もないので気持ちよく働けます。希望した条件通りで、自由になる時間も増えました。その時間を使って趣味を充実させています。医師で構成するビッグバンドにサックスプレーヤーとして所属し、年に1度のライブ演奏を目標に活動しています。
また、リハビリテーション医として働くようになってから、患者の精神的なサポートもできればと考え、通信制大学院で臨床心理学を勉強しました。今の勤務先はそうしたことにも理解があって、申し出ると心よく了解してくれました。通信制大学院は年間で約3週間ほどのスクーリングがあるのですが、年休すべてを当てても足りないので、学会出張に準じた形で対応してくれました。よく通わせてくれたなと感謝しています。通信制大学院には心理職や看護士、教師など、様々な職業、年代の人がいたので交流も楽しく、とてもいい勉強になりました。
今は価値観が多様化していて、医師の仕事もいろいろあります。臨床医に縛られず、視野を広げてみるのもいいかもしれませんね。