その後はしばらく、傷病手当を受けながら自宅療養していました。最近ようやく、体調と折り合いをつけながら、医師紹介会社を利用してアルバイトを始めたところです。「難病」といわれる病を抱えて急性期病院に勤務することは難しく、かといって内科系専門医の資格を取ることは現実的に不可能ですから、将来的には精神科への転科を考えています。

 学生時代好きで研究していた中枢神経薬理の知識や療養型病院での勤務経験を生かして、精神科の中でも特に認知症や老年精神医学などを専門にしていけたらと思っています。バイト先もできる限り、療養型病院でも精神科医が勤務しているところを選んでいます。

——医師紹介会社を利用してみていかがですか?
 会社との相性よりも、担当者との相性が重要だと思います。合わない担当者だと面接にこぎ着けられなかったり、面接を受けても、事前に聞いていた条件とは違ったり、ということがありました。相性の良い担当者を見つけられれば、インターネットで人材募集を告知する前に声をかけてくれるなど、色々と融通を利かせてもらえます。

 ただ、紹介会社にとっては、医師も病院もお客様。どちらにもいい顔をする面がどうしてもあるので、条件交渉などでは、医師本人が主導権を握ったほうがいいと思いますね。また、医師紹介会社を利用して転職する場合、医局の後ろ盾がない場合がほとんどでしょうから、医療事故に備えて、医師賠償責任保険には必ず加入したほうがいいでしょう。「自分の身は自分で守る」が鉄則ですね。