2回目の転職で、年収は600万円ほどダウンしましたが、新しい環境で気持ちを切り替え、改めて修業するつもりで頑張っています。ただ1点不安だったことは、事前に新しい勤務先と「契約書」を交わさなかったことです。年休や勤務時間、報酬など、いろいろな条件を詰めたものの、全て口頭での確認だけだったので、「大丈夫なのかな」という不安を抱えての転職となってしまいました。

 実際に働き始めた現在も、きちんとした書面でのやり取りは行われていませんが、希望通りに仕事を終えて帰宅できていますし、まぁ、なんとかやっていけそうかなと思っています。勤務先には言いたいこともあります。特に契約書のことは、今のご時世、こんなことでいいのかとも思いますが…(笑)。とにかく「まずはここで実績を積まなければ」という思いです。

 今後は、仕事のことも、家事や子供のことも、「この形が理想」とカッチリと決め込んでかかるのではなく、頼れるところは人に任せるなどして、うまく全体のバランスを取りながら働いていこうと考えています。自分1人が頑張っても、どうにもならないこともありますから…。そうすることで、結果的に仕事の成果も上がるのではないかと考えています。

——これから転職を考えている人にアドバイスはありますか。
 専門資格が取れるまでは、医局人事以外での転職は難しいかもしれません。まずは経験と実績を積むことだと思います。ある程度の実力がないと、いたずらに転職を繰り返すことになりかねません。

 また、転職先の「甘い言葉」をうのみにしないこと。現場の状況は常に変化していきますので、「思っていたのと違った」ということもよくあります。理想を高く描きすぎると、転職に失敗する確率も高くなるのではないでしょうか。

 医師という仕事は過酷です。本人が燃え尽きてしまっては、満足のいく働きをすることもできません。自分自身の健康管理にも気を配ることは、非常に大事だと思います。