2つの方法で転職を進める
—転職までの経緯を教えてください
今年の1月に今の病院に移りました。前の病院では外科でしたが、ここでは消化器科の配属となりました。転職を決意したのは2007年の4月です。決めたその場で辞めてしまってもよかったのですが、やり残した仕事があったことや、辞めた後どうするのかという問題がありました。というのも、前の病院には4年ほどいましたが、辞めて仕事がない状態でしばらくやっていける状況ではなく、辞めたらすぐ翌日から仕事をしないとなりませんでした。
—以前は外科だったのに、消化器内科なのは?
手術は嫌いではないのですが、以前ほど燃えなくなってしまいました。「難しい手術を数多くやろう」という意識ではなくなってしまったのです。体力的にもきついですし、自分の意識が後ろ向きになってきていたので、外科に関しては辞め時だと。これまで勤務していた病院で、内科的な管理とかもやっていたこともあったので、自分としては違和感はありません。
—転職活動にはどんな手段を利用したのですか
ネットの人材紹介サイトです。いくつか登録していました。あとは、自宅近くの病院の名前などは分かりましたので、自分で検索して人材情報が掲載されているかどうかを確認していました。実は、これはだいぶ前からやっていましたね。08年の1月までには新しい病院で働きたいと強く思っていたので、07年11月までにはある程度めどがつくようにしようと。医局の人事がだいたい12月の初めころに希望を出すことになるので、退局することを踏まえると、それまでに結論を出せる状況にしておく必要がありました。そしてそれは、ネットを利用することで可能だと思いました。
実際の転職活動ですが、2つの方法で進めていました。1つは、自分の情報を人材紹介サイトに登録して、医師紹介会社の方が間に入っての転職活動。恐らく、医局外転職をされる多くの医師がとる、一番オーソドックスな方法だと思います。もう1つは、自分で見付けた求人情報を元に、その情報を取り扱う医師紹介会社を選ぶ方法です。
転職したい病院の条件に、自宅から近いというのがあったのですが、先ほども話した通り、結構前から近場の求人情報は自分で探していました。その中から1つの病院を選んだ後、その病院の求人情報を掲載する紹介サイトを逆にたどっていきました。すると、2〜3の情報サイトで掲載していることが分かりました。
—同じ内容で掲載されていたのですか?
いいえ、雇用条件の掲載内容が異なっていました。同じ病院の求人情報なのに、医師紹介会社によって異なっているのは不思議ですね。私は、その中から一番良い条件が書いてある会社に話を持ちかけました。紹介会社の方には「この病院だけの交渉をお願いしたい」と伝えるところから始まりましたね。つまり、“行きたいところありき”であると。結局、07年10月末ごろに、2つの方法で進めた異なる2つの病院で、共に最終面接まで進みました。