広田友里恵(仮名)さんは0歳と2歳の子供を持つ小児科医。夫の転勤を機に医局を離れた彼女は、週4日の病院勤務を続けながら、週1回、9時5時の外来診療の仕事を見付けた。勤務条件で妥協せず、自分がやりたい仕事に就いた広田さんの転職体験談は、子育て中の女性医師の参考になるだろう。



広田友里恵(仮名)さん
2000年に関西地方の某医大を卒業。同大学附属病院で2年間研修後、小児科医局に1年間勤務し結婚。夫の転勤のため東京へ。2003年に某病院小児科にレジデントとして入職。その職を週に4日続けながら、2008年2月から非常勤(週に1日)でクリニックにも勤務。

——これまでの経緯を教えてください。

 私は、関西の医科大学を2000年に卒業しました。大学病院での研修医を経て、小児科の医局に在籍していましたが、結婚して夫の転勤で東京に転居したため、医局を離れざるを得ませんでした。首都圏には知り合いがいませんでしたし、当時、卒後3年目で実績もほとんどありませんでしたから、自分で小児科のレジデントの募集を見つけて、応募して飛び込みました。

 それが今から5年ほど前で、そこで働きながら2人の子供を出産しました。出産後は、朝9時から夕方5時までの勤務を希望し、診療ではなくデータの整理などデスクワークを行うようになりました。

 現在、子供は0歳と2歳。週に4日は、そちらの病院で勤務を続けながら、週に1日だけ首都圏郊外のクリニックの小児科で外来診療をしています。

——なぜ、今の職を探そうと思ったのですか?

 病院では重篤な患者が多く、それはそれでやりがいがあるのですが、もっと身近なプライマリな小児疾患を診たいと思ったのです。母親になって、自分の子供を世話するようになって、その気持ちはさらに強まってきました。そこで、まずは非常勤で一般の小児外来で働こうと思って、仕事を探しました。
 
——小児科ならいくらでも求人があるのでは?

 ところが、そうでもないんですよ。募集はたくさんありますが、「9時から5時まで」という条件があると、合う求人がほとんどないんです。しばらく自分で探していたのですが、見付からず、そこでインターネットの転職サイトに登録したのです。

 私が登録したのは、6社程度の人材紹介会社に一斉に登録情報が届くサイトでした。3社から連絡がありましたが、どこの担当者もすごく親切に対応してくれて、熱心に仕事を探してくれて、少し驚きました。正直、あまり期待していませんでしたから。